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団塊世代のみなさまへ 〜次の世代へと継ぐ住まい〜

 お客様に「あなたの家は何年住み続けたいですか?」と問いかけてみると「孫の代まで残したいです」と言われます。孫の代まで考えると期間にして50〜100年の耐用年数を自然と求めておられる計算になります。対して日本の住宅代替え周期は、平均30年であるという矛盾(むじゅん)にほとんどのお客様はこれから新しく建てる住宅が、まさか30年で潰されるとは想像もしておられないのです。しかし短命な家づくりと長命な家づくりは、確実に地域の中に混在しています。多くのお客様が地場工務店に求める期待も自ずと見えてくるのではないでしょうか?法隆寺などに代表される日本の木造建築が、いかに長命かもそのことを実証しています。そこにはそれなりの理由が必ずあるからです。
 最近の大工さんの中には木の種類がわからない、木の良し悪しの目利きができない、手刻み(てきざみ)ができない大工職人も少なくありません。木造の軸組の主流はプレカットという出来合いモノ既製品が多く流通し、「のみ」「鋸(のこぎり)」「鉋(かんな)」いわいる手道具、刃物を使わずともあわよくば現代の住宅は完成してしまい、大工さんも「取付屋」なんて称される時代です。大工職人の多くは日々の工程に追われ、時間短縮と賃金の値下げを競争させられ、雇用形態も一軒の家を手間賃で受けて作るという形になり、安賃金で手早く仕上げるために手道具から電動道具へ、襖(ふすま)や扉は建具店から建材メーカーへ、床は畳からフローリングとなり、塗り壁から石膏(せっこう)ボードやクロス貼りへと変化しています。
 そのため今まで職人として培われた技術の継承や想いを上手く伝えることが難しくなってきました。30年ほど前はプレカット工場を持たない材木店は墨壺(すみつぼ)で線を引き「鋸」で材木を切り、①ホゾや②鎌(かま)を作り、構造材を電動工具や手道具により手刻みしていました。短期間で刻むためまさに工場の機械のように墨付(すみつけ)加工していました。そして機械で刻むプレカットと呼ばれる技法の登場と共に大工の意識も変わり、造作大工と呼ばれ、家の内装だけを請け負う大工職人が増えてきました。現在の家づくりは海外から輸入された材木に工業用糊(のり)で張り合わされた構造材を使用しているので、プラモデルを作るが如くハウスキットを組立て、見る間に家が建てられています。
 しかしその中にあっても、手加工の家を希望するお客様がいらっしゃる限り、その要望に応じられる技術者を育成していくのが使命だと思います。強い想いを持っていないと次の世代につなげる技術と住宅は残りません。大工職人を目指す若者たちのほぼ100%が、手刻みを習得できる工務店への就職を希望していることも配慮する必要があります。
 お客様が住まいに求める条件には、㋑孫に残せる長持ちする家 ㋺快適な生活が出来る家 ㋩価格 といった順位が目立ちます。地場の山で育った材木を使い、その地域の気候風土に合った構法で[伝承と継承]が出来る住まいづくりを目指しています。

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